データで見る社会保障

いま日本は世界一のスピードで高齢化しており社会保障制度のあり方が注目されています。
制度持続のために再構築が求められる日本の社会保障制度を「年金」と「医療費」をテーマに、
「OECD」(*)や関連資料のデータを元に諸外国と比較してみましょう。

*OECD:(経済協力開発機構):ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め34 ヵ国が加盟する国際機関。
加盟国間の経済、貿易、開発援助など、国際経済全般について協議することを目的としています。

年金

年金支給開始年齢は世界的に引上げが進む

高齢化の進展に伴い日本だけでなく各国で年金の制度設計の見直しが進んでいます。
日本の国民年金の支給開始年齢は65歳(厚生年金男性は2025年までに、女性は2030年までに65歳に引上げ)ですが、
各国では67歳への引上げが進んでいます。さらにイギリスなど68歳以降への引上げを予定している国もあります。

※この図はOECDの「退職年齢」(retirement ages for a man)の資料をベースに作成しています。
※日本における年金支給開始年齢は「繰上げ」「繰下げ」の制度やその他特例により支給開始年齢に選択の幅があります。各国にも類似の制度がありますのでこの図は目安としてお考えください。

将来的な退職年齢(年金支給開始年齢)

退職 60歳
退職 65歳
退職 67歳
退職 68歳

高齢者の就業率が増加、日本は主要国で高い水準

定年前にリタイアすることが一般的だった欧米諸国でも高齢者の就業率が上昇しています。
55歳から64歳の就業率はOECD平均で48%から56%に上昇しています。
日本の高齢者の就業率は元々高く主要国で最高となっています。
また女性の就業率も上昇していますが、待機児童問題や介護離職問題など働き方についての見直しも課題となっています。

高齢者(65歳以上)の就業率の国際比較

  • 2004年
  • 2014年
日本

19.4%

20.8%
アメリカ

13.9%

17.7%
カナダ

13.9%

17.7%
ロシア

11.4%

11.0%
イギリス

6.0%

10.0%
ドイツ

2.8%

5.0%
イタリア

3.2%

3.7%
フランス

1.1%

2.3%

高齢者よりも若年者の貧困率が上昇

OECD諸国における「相対的貧困率」(所得が国民の「中央値」の半分に満たない人の割合)は1980年代を基準とした場合、
高齢者では低下、若年層では上昇する傾向にあります。若年層の貧困化は年齢を重なるにつれ、
年金受給額の減少など、より深刻な問題を抱える可能性があります。

OECD諸国における年齢層別の相対的貧困率の推移


(1980年代の全人口の相対的貧困率 = 100とする)

  • 120.8 154.0 153.1 161.7 18-25歳
  • 126.2 99.6 92.3 71.4 66-75歳
  • 126.2 99.6 92.3 71.4 75歳

日本における相対的貧困率は人口の約16%となっておりOECD平均の11%を上回る高い状態です。
世代間では、高齢者の相対的貧困率がもっとも高い状態ではありますが、
日本でもOECD諸国同様に若年層の相対的貧困率が増加しており、特に子供の貧困率が上昇する傾向が続いています。

年齢層別の相対的貧困率の比較- OECD平均と日本(2013年)

日本 OECD平均 年代別
  • 11.2
    全体
  • 13.3
    18歳
  • 13.8
    18-25歳
  • 9.9
    26-65歳
  • 9.9
    65歳

医療費

OECD諸国との医療費の比較

OECD諸国と比較して、日本における一人あたりの医療費支出(約37万円 、13位)、
GDPに占める医療費支出(10.2%、8位)はOECD平均と比べて大きくなっています。
一方で医療費の「個人支出」(自己負担、自費診療等)の割合(16.8%)はOECD平均(26.6%)に比べて低くなっています。

主なOECD諸国の一人あたりの医療費支出(2013年)

アメリカ

スイス

ノルウェー

ドイツ

カナダ

フランス

日本

OWCD平均

フィンランド

イギリス

医療費と薬剤費の推移

世界的な傾向として医療費総額の伸びが減少しているのに対し、医薬品に対する支出(薬剤費)は上昇傾向にあります。
一人あたりの薬剤費は、アメリカでは突出して高く、日本、ギリシャ、カナダがそれに続きます。
また最近では非常に高額な医薬品が登場しており、医療保険財政に大きな影響を与えるのではないかと言われています。

医療費と薬剤費の年間伸び率の推移 - OECD平均・一人あたり

ジェネリック医薬品の普及率の比較

日本において薬剤費が高止まりしている背景として、OECDはジェネリック医薬品の使用率の低さを指摘しています。

主なOECD諸国の医薬品市場における


ジェネリック医薬品の数量比シェア(2013年)

イギリス

83.4%

フィンランド

40.0%

ドイツ

83.4%

ギリシャ

19.5%

イタリア

18.7%

フランス

30.2%

日本

27.6%

カナダ

70.0%

アメリカ

84.0%

OECD平均

84.0%

それでも日本のジェネリック医薬品の使用率は年々伸びています。
厚生労働省の指標はOECDと基準が異なるので単純比較できませんが、厚生労働省は、現在60%程度である「後発医薬品の数量シェア」を、
2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上にすることを目標として掲げています。

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国名 合計 公的支出 個人支出 個人支出割合
アメリカ 8,713 4,197 4,516 51.8%
スイス 6,325 4,178 2,084 32.9%
ノルウェー 5,862 4,981 882 15.0%
オランダ 5,131 4,495 636 12.4%
スウェーデン 4,904 4,126 779 15.9%
ドイツ 4,819 3,677 1,141 23.7%
デンマーク 4,553 3,841 713 15.7%
オーストリア 4,553 3,469 1,084 23.8%
ルクセンブルク 4,371 3,608 763 17.5%
カナダ 4,351 3,074 1,277 29.4%
ベルギー 4,256 3,311 944 22.2%
フランス 4,124 3,247 877 21.3%
オーストラリア 3,866 2,614 1,251 32.4%
日本 3,713 3,090 623 16.8%
アイスランド 3,677 2,968 709 19.3%
アイルランド 3,663 2,509 1,154 31.5%
OECD平均 3,453 2,536 917 26.6%
フィンランド 3,442 2,583 859 25.0%
ニュージーランド 3,328 2,656 672 20.2%
イギリス 3,235 2,695 540 16.7%
国名 金額($)
アメリカ 1026
日本 752
ギリシャ 721
カナダ 713
ドイツ 678
スイス 666
アイルランド 652
ベルギー 603
フランス 596
オーストラリア 590
イタリア 572
オーストリア 536
スロバキア共和国 533
スペイン 526
OECD平均 515
ハンガリー 503
スロベニア 481
フィンランド 459
スウェーデン 459
韓国 436